人件費のムダをあぶり出す
- 勝手なタバコ休憩を黙認してはいけない
- 通勤手当は実際に要する額を払えば良いはず
たかがタバコではないか?という向きもあるかもしれません。愛煙家にしてみれば、そう言いたいところでしょう。しかしながら、タバコ休憩は“たかが”と言い切れるほど小さな人件費のムダではありません。
タバコ1本を吸うのに、何分かかるでしょうか? 最近は喫煙場所が決められているので、そこまで歩いていって、帰って来るのに、最低でも10分は要るのではないでしょうか?
「10分間」というのは、人件費に換算すれば、いくらのムダになるでしょうか?
タバコを1本吸うと会社の人件費は数百円かかる
ここで仮に給与が月額20万円の社員がいたとします。賞与は年間3ヵ月出ていたとします。社会保険料は、会社負担が15%あったとします。年間の勤務時間が2085時間(週40時間)だったとします。すると人件費は年間で、次の額になります。
給与20万円 × 15ヵ月分× 1.15倍 = 345万円
次に1時間あたりの人件費は、次のような額になります。
345万円 ÷ 2085時間 = 1655円
ということは人件費は「10分間あたり」で、276円になります。
1日6本のタバコを吸うと人件費は1000円以上になる
仮にタバコを1日あたり6本吸ったらどうなるでしょうか?
276円 × 6本 = 1655円
ということで、1日あたり人件費が1000円以上に達するわけです。
1日あたり6本のタバコ休憩は年間数十万円に匹敵
それでは、そのようなタバコ休憩を、毎日続けたら、人件費はいくらになるでしょうか?
年間260日勤務する場合で試算しますと
260日 × 1655円 = 43万円
ということで、ナント年間で43万円にもなるです。「チリも積もれば、山となる」といいますが、それは人件費を管理する上で、重要な要点です。
これからはサービス残業は認められません。会社は勤務時間に応じた賃金を正しく払うことが求められます。
ということは、逆に言えば、勝手な休憩を黙認する必要もないということになります。
最適な人件費の管理を提案する(株)北見式賃金研究所 北見昌朗