人件費予算案の作り方
給与計算データを活用して人件費を細部にわたりチェックする
経営者の中には、社員の給与をあまり視ていない方も多いような気がします。でも、大事なことですから、最低でも年1回は、全社員の給与をじっくりと見てほしいものです。
そこで提案です。給与計算のデータをご活用下さい。
最近の給与計算ソフトは、データをエクセルで打ち出すことができます。それを使えば、わざわざ入力しなくても、全社員の賃金データが出来上がります。
その賃金データを見れば、いろいろなことがわかるようになります。例えば、こんなことです。
- Aさんの手取り賃金は、こんな額しかなかったのか!(これでは可哀想)
- Bさんの通勤手当は、おかしい(実際には乗っていないバス代が請求されている)
- Cさんは60代だから年金が出ているはず(年金併用型に切り替えたい)
- Dさんは55歳だから、定年退職金の掛け金を増額する必要がある
- Eさんは4、5、6月に休日出勤をしたおかげで社会保険料が高くなってしまった(来年のカレンダーは見直しが必要)
時間外手当は重点課題
人件費をチェックする上で重点課題になるのは、時間外手当です。ここは時間をかけて検証しましょう。
- 誰が、いつ、なぜ、時間外を行ったのか?
- 毎年同じような時間外を繰り返していないか?
- 過重労働になっている社員はいないか?
- 生産高に応じた時間外になっているか? ムダな時間外はなかったか?
人件費予算案はこうして作る
人件費予算案は、前年度の人件費が正確に把握されていたら、それを元に作成すれば良いです。その際には、足すもの、引くものがあります。
- <人件費予算案で足すもの>
- 増員分の人件費
- 昇給のための人件費
- 退職金の掛け金増額
- <人件費予算案で引くもの>
- 定年退職者の人件費(その後は年金併用にしたいもの)
- 減員分の人件費
最適な人件費の管理を提案する(株)北見式賃金研究所 北見昌朗